直筆原稿

人間失格.jpg『直筆で読む「人間失格」』 太宰治 
集英社新書ヴィジュアル版

ひさしぶりに本の話です。
タイトルのとおり、まさに全ページ、直筆。
書店で手に取った瞬間、震えました。
200字詰め原稿用紙412枚の写真版。

こんな感じです(クリックで拡大します)。
直筆.JPG驚いたのが、大変 読みやすい筆跡であるということ。
そしてほぼ全ページにわたる訂正・書き込み。
削除の箇所は、丁寧に網掛けで消されています。

下部には脚注として、注目事項や、抹消部分の翻刻もあり
ひじょうに細かい部分までこだわって、書き上げられたものだということがわかります。

「人間失格」は学生のころから、何度か読んだ作品でしたが、
直筆で読むと全く味わいが違い、
1冊読むのに、そうとう時間がかかりました。
いやぁ、もう・・・
言葉にできません。

あらためて読み直すと
子供のころには、なんとも思わなかった部分を、おもしろく感じたりするもんですね。
名詞には、男性名詞・女性名詞があるように、喜劇名詞・悲劇名詞というものがあってもいいのではないかと。
汽船と汽車は悲劇名詞、市電とバスは喜劇名詞・・・といった具合に、当てていくという遊びを発明するくだりとか。

旧かなづかいって、好きだなぁ。
「さうでせう? 僕はね、あの薬を使ふやうになってから、お酒は一適も飲まなかった。(中略)いまが大事なところなんだ。だからさ、ね、おねがひ。キスしてあげようか」
足の悪い薬局の奥さんに、モルヒネをせがむセリフです。
いいですねぇ。。。

さて、もう1冊読みました。
健康の結論.jpg『健康の結論「胃腸は語る」ゴールド編』 新谷弘実 弘文堂
おおの整骨院の先生が貸して下さいました。
精製されていない穀物・野菜中心の食事にし、自然のものを自然に従って食べる。
牛乳を摂ってはならない。
良い水を飲むことが非常に大切(水道水はダメで、おすすめは電解還元水)。
そして・・・アルコールもダメだそうです。
あちゃーっバッド(下向き矢印)

この記事へのコメント

  • jm2433

    太宰は10代後半に読みまくりましたね。
    人間失格は、何度読んだかしれません。懐かしいなあ。それにしても直筆とは……
    ちょっと読むのに、躊躇しそうだなあ。
    個人的に太宰のベストは「眉山」と「親友交歓」ですね。
    人に太宰好きだと言うと「暗い人間なんだね」と言われるのが困りものです(笑)
    2009年02月14日 15:50
  • のりたま

    jm2433さん>
    太宰好きは、暗いって??
    「人間失格」のイメージでしょうかねぇ。
    私はオススメの2冊、読んでなかったですー。
    「走れメロス」「斜陽」「津軽」・・・
    有名なのだけです。
    意外にも直筆は、ものすごく読みやすいですよ。
    もっと神経質な字を書かれるかと思ってました。

    私が10代で読みまくったのは、三島由紀夫と谷崎潤一郎と安部公房。
    2009年02月14日 23:28

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