
読み終わりました・・・
『天使の骨』 中山可穂 集英社文庫 500円
中山可穂様の2作目で、『猫背の王子』の続編です。本には興味のない方もおられると思うので、解説とか感想はダラダラと書きませんが、心に残ったエピソードを少し。
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長旅の途中で、主人公の王寺ミチルが出会った年配女性のバックパッカー南さん。
南さんは1年以上かけて世界一周している五十代の主婦。
ふらりと旅に出て、ハシシのやりすぎ(クスリ中毒)で死んだひとり息子が歩いた道のりを同じように歩き、クスリ中毒は緩やかな自殺だと語る南さんのセリフです。
「あの子が最後に遺したものはこのリュックサックひとつきりで、中には本当にわずかなものしか入っていなかったの。パスポートと現金が少し。セーターが1枚、Tシャツが1枚、・・・(略)それだけ」
「見る影もなく痩せて横たわっていたあの子を見たときよりも、その荷物の少なさのほうがショックでね。だって出て行ったときはすごい装備だったんだから。ノートはとても細かい日記になってたの。(略)何度も何度も繰り返し読んだ。一字一句見逃さず読み込めば、何かわかると思ったの。」
そして何もわからなかった南さんは、息子と同じ道のりを歩く旅に出たという。
それを聞いたミチルは「すごいなあ」心から絶望して言った。この母親のなんという絶望の深さ。その息子のなんという虚無の深さだろう。親子の絆とはかくも深く、闇の彼方で互いに互いを呼びあうものか?
「供養っていうより、ただ知りたいのよ。なぜ死んだのか。何を見て、どこで眠って、どんな風に吹かれて、どんなに暑かったか。どんなに寒かったか。肌で感じたいだけなの。」
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私には3人も、若くして自ら命を絶った親戚がいます。みんな男です。
残された母や妻たちは、みんな こんな想いを抱えているだろうと思います。胸が痛いです。
この記事へのコメント
ひろみん
まして息子なら、もっともっと・・・。
私は今~宮部みゆきの「パーフェクト・ブルー」読んでる~!
のりぽんが大の苦手とするワンコの~警察犬マサの目を通して描く推理小説~★
では、仕事・・夕方の部行って来ます♪
まえちゃん
新聞の小説が楽しみなときがあるわ 毎日夕刊が待ちどおしい。。。
のりぽん
息子たちが親離れすると、なんか膝の上がさみしくて。
今はネコの本を読んで…というか眺めてまぁす!
まえちゃんさんもよく本を読んではりますよね!
私は文庫本のおしまいの宣伝のページ(よく似たジャンルの作家の作品が並んでいる)を参考にしたり、本やさんに平積みにされてるもので、ピンっときたものを。あまりハズレがありませんよ~。
中山可穂は『サグラダ・ファミリア(聖家族)』と『マラケシュ心中』がおすすめです。
まえちゃん
あっ ひろみん ガラスの腰 気つけてがんばってね。
担任2
さて明日は節分です。で、今日の帰りの電車で思いついたんです!我クラスで豆まきしょう、って。で、駅前の店でお面とマメを購入!!さあ明日の子どもの反応はいかに・・ワクワク
のりぽん
タイトルを、どうやってつけてるか、当てた人には、次にお会いしたときに、なんかごちそーします。
担任2先生様っ!
ピンポーン! なんでわかったんでしょうか。
明日の節分、盛り上げて下さいねぇ。
ちなみに我が家は、毎年 家の中の全ての窓やドアから、豆をまきますよ。
ご近所さんに聞こえないよう小さい声で「鬼は外~福は内ぃ~」と言いながら。
ぽんぽこyamasan
ぽんぽこ♀