世界的ベストセラーの映画化

ノルウェイ.jpg映画『ノルウェイの森』を観ました。
監督:トラン・アン・ユン
出演:松山ケンイチ、菊池凛子、水原希子
音楽:ジョニー・グリーンウッド(レディオヘッド)

原作本(文庫)を読んだのが、20年近く前だし
私にとっては、特に印象に残った作品ではなかったので
「どんなんだっけ??」と、記憶を蘇らせつつの鑑賞となりました。

昭和な小道具とか衣装が、いい。
黒電話の、送話口につけられた消臭剤とか
ワタナベが穿いている白いブリーフとか。

直子が療養中のサナトリウムがある高原(ロケ地は兵庫県神河町)が
いい雰囲気。

大切な人を亡くした者同士の恋愛。
愛する人が壊れていく。それでも深く愛してしまう。
そして追い詰めてしまう。

あらためて感じたのは
生は性。

松山ケンイチくん、良かった。
直子を失ったあとの慟哭、胸が張り裂けそうになりました。
(うちの次男に似てるので、キスシーンなどは、観ていると変な気分になりましたがw)

菊池凛子さんは、どうなんだろう。
演技はうまいんやけど、痛いだけの彼女になってしまった気がする。
もう少し若い女の子が良かったんじゃないかなぁ。

音楽がとても良かった。
せつなさを通り越した痛みの詰まった音色。
だけど、音楽のないシーンは、静かすぎて
少々 息がつまったし
セリフには、微妙にリバーブがかかって、特に緑の声はどこかに反響しているような・・・
なんか違和感がありました。

チョイ役で、高橋幸弘さんと細野晴臣さんが出ていたのは、嬉しい。

最後の方で、レイコさんがワタナベの部屋を訪ねてきて
ワタナベに抱かれるというシーンは、突拍子もなくて
原作を読んでいないと、全く意味がわからないと思う。
直子を弔う儀式のようなものなんやけど・・・

小説もそうだったけれど
映画も賛否両論、分かれそうだなぁ。

私は・・・好きか嫌いかと問われれば、映像的には好きな映画なんだけど
DVDで観たとしたら、きっと途中で 寝てしまうだろう。
おすすめの映画かと問われたら、あまりオススメではない。
せつなすぎて、観たあと、とてもとても気分が落ちてしまうから。

この記事へのコメント

  • Nobusan

    私も観てきました。
    原作の大ファンで、とても思い入れがある作品なだけに
    本当にショックでした。(泣)

    菊地凛子さんは、この役をどうしてもやりたくて
    監督に熱烈にアピールしたそうですが、
    彼女じゃないとダメだったのでしょうか・・・
    二十歳の女の子の透明感・脆さ・あやうさというのは
    演技力で出せるものではないと思います。

    全体的に肝心な部分が全て抜け落ちていて切り貼り状態・・・
    特にレイコさんと突撃隊の扱いは哀れでした。

    R-12指定がついてましたが、R-18ぐらいにして欲しい。
    だって、原作未読の中学生があんなの見て何か心に響くんでしょうか?
    「誰とでも寝まくる優柔普段の二股男の話」ぐらいにしか
    思わないんじゃないかなぁ??

    とにかく、色々な意味で残念な映画でした。

    2010年12月17日 22:24
  • のりたま

    >Nobusanさん
    やっぱ観てますね!!
    私は原作に、そんなに思い入れがなかったので
    Nobusanほどの残念さは感じなくて
    神河町の高原に行ってみたいな~♪とか
    2時間半にまとめたら、こんなもんになるのかな・・・なんて考えてました。
    「誰とでも寝まくる優柔普段の二股男の話」
    ほんまやね(笑)

    直子役については、全く同感。
    しゃべり方なんかも、作りすぎてる感じがしたなぁ・・・
    あらためてもう1回、原作を読み直してみよぉ。
    2010年12月19日 09:34

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