
第20回路傍の石文学賞受賞作。
これは「ジャケ買い」ならぬ「表紙買い」

3つの短編は、3つのピアノ曲のやさしい調べにのせて。
いとこの少年たちだけで過ごす海辺の別荘でのひと夏を封じ込めた「子供は眠る」は、シューマンの《子供の情景》
不眠症の少年と虚言癖のある少女との淡い恋を綴った「彼女のアリア」は、バッハの《ゴルドベルグ変奏曲》
絹子先生のピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさん・・・「アーモンド入りチョコレートのワルツ」は、サティの《童話音楽の献立表》
甘酸っぱくて、ほろ苦い思春期。
いとこで久しぶりに再会するときの、こそばい感じとか、めっちゃ共感できました。

内容(「BOOK」データベースより)
同級生の宮前由紀子は俺の子を身ごもったまま、そして俺の愛が本物だったと信じたまま事故死した。
俺にできる償いは本気の関係だったと皆に告白することと事故の真相を暴くことだけだった。
やがてある女教師が関わっていたことを突き止めるが、彼女の絞殺体が発見されるや、一転俺は容疑者にされてしまう。
東野さんの学園推理もの。
さすが、おもしろいですー

あとがきによると、作者ご本人は、学校がかなりお嫌いの印象を受けましたが・・・。

内容(「BOOK」データベースより)
僕にザリガニの味を教えたのは、六年生の春に転校してきたこうすけだった。
クラスの誰ともしゃべらないこうすけと僕の間には、二人だけの秘密があった。
ひと夏を共に過ごし、成長する少年たちの姿をみずみずしく描く表題作ほか二編を収録。
坪田譲治文学賞、椋鳩十児童文学賞をダブル受賞したデビュー作。
愛知県の矢作川を舞台にした、「かいぼり」「泣けない魚たち」「金さんの魚」の3篇。
主人公は、いずれも小学校6年生の少年たち。
表題作が、良かったですねぇ。
通勤電車の中で読みながら、思わず涙がこぼれました

映画の「がんばれ!ベアーズ」とか「スタンド・バイ・ミー」が大好きな私は
こういう思春期の少年モノに弱いです。
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