ずっと続くと思っていた

最近読んだ本。
遮光.jpg『遮光』 中村 文則 新潮文庫
愛する者を失った「私」は、他人が知れば驚愕するような、ある物を持ち歩いている。
しかし、それは狂気なのか―新世代作家の鋭利な意識が陰影濃く描き上げた喪失と愛の物語。芥川賞候補作。(「BOOK」データベースより)


この作者の小説は、初めて読んだんやけど、いいですね~。
三島由紀夫や谷崎潤一郎、カフカやカミュに傾倒していた、高校時代の私なら
夢中になったかもしれない。

100.jpg『100回泣くこと』 中村 航 小学館文庫
実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。
ブックは、僕の2ストのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだった。
彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げる。
彼女は、一年間(結婚の)練習をしよう、といってくれた。
愛犬も一命を取り留めた。
ブックの回復→バイク修理→プロポーズ。
幸せの連続線はどこまでも続くんだ、と思っていた。ずっとずっと続くんだと思っていた―。


やってもーたっ。
こういう話には、弱いとわかってて、電車で読んでしまい
公衆の面前で、涙たらーっ(汗)
彼女が亡くなったあとの、"僕"の気持ちに
6年前に大切な友達を亡くした、私の気持ちがダブりました・・・

 中陰.jpg   猫.jpg
あと2冊。
『中陰の花』 玄侑 宗久  文春文庫
第125回芥川賞受賞作。
中陰とは、この世とあの世の中間。作者は現役の僧侶。

『猫を抱いて象と泳ぐ』 小川 洋子 文春文庫
伝説のチェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの、ひそやかな奇跡を描き尽した、切なく、愛おしい、宝物のような傑作長篇小説。解説は山崎努さん。

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