



『花の下にて春死なむ』
『桜宵』
『螢坂』
『香菜里屋を知っていますか』
北森 鴻さんのビアバー【香菜里屋】シリーズ(講談社文庫)です。
1冊が5~6つの短編。
場所は、ビアバー香菜里屋。
お客さんから持ちこまれる謎を、マスターの工藤が、静かに解き明かしていきます。
常連のお客さんたちも、どこかでつながってきて
読み進むほどに、愛着の出てくる作品集です。
1つ1つの話は短編なのに、読み応えがあって
何よりも出てくるお料理の描写が素晴らしい!!
電車で読みながら、ヨダレをこぼしそうになること多し。
冬瓜を、挽肉と煮て葛でとろみをひく。コンソメ味でビールに合いますよ・・・
なんて言われると、ゴクンと喉が鳴る。
手羽先と根菜と玉ねぎを、塩と酒のみで4時間煮込んだもの。
牡蠣にガーリックバターを熱したものをかけたり
さっと茹でたモヤシに少量の塩とごま油、手製のちりめん山椒を絡めたり
想像してみると、わりとシンプルな感じのお料理なんですが
いい匂いがただよってきます。
北森鴻さん、2年半前に、48歳で亡くなったそうですー。
もう【香菜里屋】シリーズが読めないのが、本当に残念です。
この記事へのコメント