読書記録。
『北斗 ある殺人者の回心』 石田衣良 集英社文庫
両親から激しい虐待を受けて育った少年、北斗。
誰にも愛されず、愛することも知らない彼は、高校生の時、父親の死をきっかけに里親の綾子に引き取られ、人生で初めて安らぎを得る。
しかし、ほどなく綾子が癌に侵され、医療詐欺にあい失意のうちに亡くなってしまう。
心の支えを失った北斗は、暴走を始め―。
孤独の果てに殺人を犯した若者の魂の叫びを描く傑作長編。
第8回中央公論文芸賞受賞作(「BOOK」データベースより)。
前半の、北斗が幼少期に受けた虐待の描写は、読むのが辛くなるほど。
後半の裁判のシーンは、いろんな立場の人の証言、北斗の心境の変化など
読み応えがありました。
石田衣良のイメージが変わるほど、骨太な一冊でした。
フィクションを含めて、事件ものをいろいろ読みました。
『死刑でいいです 孤立が生んだ二つの殺人』 池谷孝司/編著 新潮文庫
『翳りゆく夏』 赤井三尋 講談社文庫
『累犯障害者』 山本譲司 新潮文庫
『39 刑法第三十九条』 永井泰宇 角川文庫
「死刑でいいです」は、2005年に大阪で起きた姉妹殺人事件(その5年前に自身の母親も殺害)のルポ。
事件といえば、まさに今、寝屋川の中1女子の殺人事件の犯人が捕まったばかり(男子も?)で気になりますね。
そして
『アリスのままで』 リサ・ジェノヴァ キノブックス
50歳のアリスが、若年性アルツハイマーを患い、徐々に進行していく様子を、本人の視点で書かれたもの。
映画化されて、主演のジュリアン・ムーアがアカデミー賞を受賞されてますよね。
映画、見そびれてしまったので、DVDを待ちたいと思います!
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