兵庫県香美町の西国四十九薬師霊場第28番札所・亀居山 大乗寺(だいじょうじ)へ。
石垣
石垣前の庭
山門(門内から撮影)
たくさんの彫刻がありました。
2対の阿吽の獅子
かわいいお猿さん
白象に乗って笛を吹く子供?
山門に食い込みそうな、樹齢約1200年のクスの巨木
まずは客殿へ。
正面から入ると、円山応挙の像が祀られていました。
ここから通路に沿っていくと、入口があり、カメラを鞄にしまって中へ。
拝観料800円を納めると、手編みの暖かい靴下を貸して下さいました。
数人集まると、お寺の方が13あるという部屋のひとつひとつを
解説しながら約30分間、案内して下さいました。
江戸時代後期に当時の住職・密蔵が京都を訪問し、修行中の貧しい円山応挙(まるやまおうきょ=「円山派」の祖)の才能を見込み、学費を援助されたそうです。応挙はその後 大成し、恩に報いるため、弟子12名とともに大乗寺にやってきて、客殿襖絵・屏風など多数の作品を残し、うち165点が重要文化財に指定されているのだとか!
客殿には、原画とデジタル再生画が入り乱れて公開されている状態ですが
パッと見ただけでは、どれが原画でどれが再生画なのか、見分けがつきません。
まずは「農業の間」から。
応挙一門の呉春によって四季耕作図が12面に描かれています。
小壁には、山跡鶴嶺による雀。
客殿は立体曼陀羅(宗教的意味をもった障壁画空間)を表しているとのことで、仏間の持仏十一面観音を中心にして、
東にあたる「農業の間」は、持国天を象徴しているのだとか。
「孔雀の間」は円山応挙による老松孔雀図が16面に。
奥が仏間になっています。
孔雀の障子を開けて下さり、祀られている十一面観音さまとお大師さま?を拝むことができました。
襖を開けると、1枚分閉じた襖が隣の襖の絵ときれいにつながるように描かれています。
電気を消して、まるで西日が当たるように、一部分にスポットライトをあてて、当時の見え方を再現して下さいました。
「芭蕉の間」は、円山応挙によって描かれた8面の郭子儀図。
大きな芭蕉の葉と、郭子儀(かくしぎ)と遊ぶ孫が描かれています。
見る角度によって、赤い服を着た孫のお尻の向きが変わっていきます。
南にあたる「芭蕉の間」は増長天を象徴。
西にあたる「山水の間」は、広目天を象徴し、位の高い人を迎えるための部屋で、
床の間と違い棚が設けられています。
山水図は深山幽谷から流れ落ちる水が滝となり川となって、海へと注ぐ様子を金箔地に墨で描かれており
とても大きな硯石と、水差しが展示されていました。
山本守礼による「狗子の間」では、人懐っこい犬が、どこから見ても追いかけてくるように見え、
円山応瑞による「鯉の間」では、鯉がどんどん逃げてゆくように見えます。
北の「仙人の間」は、秀雪亭によって描かれた「群仙図」が多聞天を象徴しているそうです。
2階の「鴨の間」と「猿の間」にも案内していただきました。
円山応挙による十六羅漢さんの屏風も公開されていました。
体毛の1本1本まで緻密に描かれています。
2階の部屋は、とても天井が低く、刀を抜けないように・・・とのことで
大事な商談なども行われていたそうです。
襖絵等の数々は大乗寺円山派デジタルミュージアムというサイトで、御覧いただくことができます!
鐘楼は撞けませんでした。
手水の水が、ボコボコと音を立てて、吹き上がっています。
薬師堂
暗い中に、薬師如来様がぼんやり見えました。
観音堂
聖観音様が祀られていると思うのですが、黒いお厨子の中でした。
四天王様もおられたのかな?
水子地蔵様
鎮守社でしょうか。
いただいた御朱印です。
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