岡山市東区の、中国観音霊場第1番・百八観音霊場第1・2番札所、金陵山 西大寺。
宗派:高野山真言宗 開基:藤原皆足姫 創建:751年 御本尊:千手観音菩薩
駐車場の関係で、仁王門ではなく、石門から。
石門の前には鳥居が立ち、会陽垢離取り場(えようこりとりば)があります。
日本三大奇祭のひとつとも言われる、会陽(裸祭り)の際、この観音像の周りに水が張られ、心身を清める垢離取り修行を行うそうです。
会陽(裸祭り)は毎年1万人の褌姿の男性が集まる奇祭として世界でも知られ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
今年はコロナの影響で、無観客・争奪戦なし・対象を限定して宝木の授与という、歴史上初の「福男定めの儀」が、2月20日に行われたそうです。
身代わり水垢離観音像
龍鐘楼(石門)の内側
境内図
本堂
宝来柱
宝木が納められた擬宝珠(ぎぼし)に触れると、宝木の御福を授かれるそうです。
香炉
外陣の天井を見上げると、御福窓(会陽の際に宝木が投下される上層の窓)の下あたりに、千手観音様の梵字が描かれた「観音様の蓮台」がありました。
ガラス越しに内陣の中央に祀られた金色の十一面千手観音立像(お前立)と、その手前に色鮮やかな青面金剛像が祀られているのが拝顔できました。
青面金剛像は、いつもは牛玉所殿(ごおうしょでん)に祀られている秘仏で、毎年1月1日~14日のみの御開帳ですが、現在はコロナ終息まで本堂にて特別御開帳されているとのことでした。
納経所にて本堂・牛玉所殿の内拝@500円を申し込み、鐘楼門から客殿へと向かいます。
鐘楼門の梵鐘は朝鮮鐘(重文)で、高麗時代初期(10世紀頃)に朝鮮半島で鋳造されたと推定されるそうです。
客殿の玄関
こちらの鐘を3回鳴らすと、お寺の方が案内に出て来て下さいました。
回廊でつながった本堂に、裏側から入ります。
入ってすぐの回廊の続きには、裸祭りの写真や、動物のサイの置物などがたくさん展示されています。
古来より サイの角は邪気を払うとされ、魔除けで飾られたり、漢方薬としても珍重されたそうです。
サイの角を鎮めた地に「犀戴寺(さいだいじ)」として建立され、のちに「西大寺」に改名されたのだとか。
本堂内陣に進むと、宮殿裏の左右に、ライトアップされた青い不動明王座像と赤い愛染明王坐像が祀られています。
内陣の中央近くに進むと、思わず「すごーい!!!」と大きな声が出てしまいました。
まばゆい光に包まれ、見事な装飾のお厨子の前に、お前立の十一面千手観音菩薩立像、脇侍に多聞天と広目天。
(秘仏の御本尊は、2028年に御開帳されます。)
堂内の壁面上半分は、金をふんだんに使って描かれた龍や飛天など、絢爛豪華です。
階段を登ると外陣側に、御福窓(会陽の際に宝木を投下する)があり、開けて外を見ることができました。
願いを書いた散華を、この窓から蓮台に向けて投下する、福受け体験@100円もできます。
本堂から客殿に戻り、回廊でつながった牛玉所殿の本殿内陣へ。
内陣の中央にお前立の牛玉所大権現と金毘羅大権現(不動明王と毘沙門天)が祀られています。
五大明王みたいやけどなぁ・・・と思い、帰ってからお寺のHPを確認すると
「密教の明王である五大明王を、神仏習合の姿(権現)、牛玉所大権現として崇めています。」と書かれていました!
白翡翠で造られた白玉文殊菩薩像は、獅子に横向きに腰かけておられ、触れて祈願することができます。
本殿北側に独立して立つ奥殿
秘仏の牛玉所大権現様が祀られています。
奥殿の手前に、水かけ誓願不動尊
奥殿に向かって左側、和合の楠
右指を上に交差させて合掌し、家庭円満を祈願しました。
牛玉所殿前の稲荷神社
薬師堂
お堂の中には立派なお厨子があり、お前立の薬師如来座像が拝顔できました。
絵馬堂
境内の西側に移動し、順番が違いますが、仁王門から入り直しました。
金剛力士像は細かい網の柵があり、撮影できませんでした。
手水場
高祖堂
黒っぽい弘法大師様がぼんやりと拝見できました。
自動扉の向こう側に(ガラスに写っているのは、手前の高祖堂と三重塔)
千手堂
2.5mの千手観音坐像が祀られているのですが、法要中だったので、入れませんでした。
六角経蔵堂
大般若経を納める輪蔵を一回転させました。
三重塔
胎蔵界の大日如来様が祀られていて、ガラス越しに拝顔できました。
塔の東西南北に仏足石が設置されています。
仏足石の上に立ち、「オン アビラウンケン バザラダトバン」と三回唱え、三重塔を時計回りに三周すると、足腰の健康にご利益があるそうです。
さきほど参拝した餘慶寺は金剛界、こちらは胎蔵界ということで、両界マンダラ巡りとなるわけですね。
広い会陽観覧席までありました!
百八観音霊場第2番札所の普陀南海観音像は、撮影を失念。。。
いただいた御朱印と御影と
いい香りのする五福香守です。
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