大阪府羽曳野市の聖徳太子建立48寺院の一つ、西国薬師四十九霊場第14番札所、中之太子こと青龍山 野中寺(やちゅうじ)
宗派:高野山真言宗 創建:白雉元年(650年)頃 開基:蘇我馬子・聖徳太子 御本尊:薬師如来
拝観は毎月18日の9時半から16時のみ可で、それ以外の日は拝観できません。
無料駐車場が門横にあります。
山門
飛鳥時代から奈良時代前半には、七堂伽藍(金堂・講堂・塔・食堂・鐘楼・経蔵・僧房)を備えた大寺院でしたが、南北朝時代の戦火によって全て焼失したそうです。
現在でも中門跡・金堂跡・塔跡・講堂跡・回廊跡などの礎石が残っており、「野中寺旧伽藍跡」として国の史跡に指定されています。
門を入った左側は、塔跡
塔跡からは、西暦650年の瓦が出土したそうです。
右側は、金堂跡
法隆寺式の伽藍様式ですが、法隆寺は塔と金堂の両方が南向きに建てられ、野中寺は塔と金堂が向かい合うように建てられていたそうです。
手水場
ヒチンジョ池西古墳石棺
凝灰岩を組み合わせて造られた、横口式石槨の古墳です。
鐘楼
本堂
蔀戸の隙間から、内陣を拝見することができました。床は瓦の四半敷き。
中央の宮殿型厨子の扉は閉じられていて、秘仏の御本尊・薬師如来様が祀られています。
お前立の薬師如来坐像(素木)は、大壇の上に。
御本尊の向かって左側に不動明王立像、右側に愛染明王坐像が祀られているのが拝顔できました。
弁天堂
大師堂
中門をくぐると
正面に東門があります。
客殿の横を通りすぎ、寺務所受付にて拝観料@300円を納め、
方丈玄関脇の庭園入口から入りました。
方丈の縁側から、金銅弥勒菩薩半跏像(重文)を拝見させていただきました。
前回2017年6月は、方丈の室内に上がらせていただき、三方に扉が開かれた厨子の中にお祀りされている弥勒様を拝ませていただきましたが、現在はお厨子から出して、明るい場所で縁側の外から拝見するスタイルに変更されたそうです。
像高はわずか18.5cm。お顔が大きく、腰がキュッとしまっています。
左脚を踏み下げ、右手の指を2本たてて頬に当てた半跏思惟像。
とても可愛らしい♡
台座の後ろ側に「丙寅年四月大旧八日癸卯開記・・・請願之奉弥勒御像也・・・」という銘文が、1行に縦2文字ずつ計62字刻まれています。
銘文中に「弥勒」と明記されており、制作年代の明らかな最古の弥勒像だそうです。
地蔵堂へ向かう角に、井戸
回廊に梵鐘
沙弥寮(僧坊)
地蔵堂の内陣へ
中央の厨子の扉が開かれ、地蔵菩薩立像(重文)が拝顔できました。
黒い地蔵菩薩様は衣に金色の模様が描かれ、黒い光背にはたくさんの宝珠。
向かって左側に祀られているのは、胎蔵界の大日如来像でしょうか(不明)。
経蔵
いただいた御朱印です。
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