滋賀県米原市の近江西国三十三所第13番・琵琶湖百八霊場第50番札所、普門山 定光院 松尾寺(まつおじ)
宗派:天台宗 創建:白鳳9年(680年) 開山:役行者
こちらのお寺、ご住職が板前さんで、境内にあるお店『虹鱒料理 醒井楼』の店主さんでもあります。
醒井楼の駐車場に車を停めて、拝観はどうすればいいかとキョロキョロしていたら、奥様が出て来て下さり、案内していただきました。
お店の横の小道を通ります。
慈母観音像
山門
階段を上ると、本堂
堂内に入らせていただきました(内拝料@500円)。
外陣の長押の上に、長さ約3mの木製のプロペラが掲げられています。
岐阜県の飛行学校から奉納されたものだそうです。
内陣中央奥に客仏の阿弥陀坐像が祀られているのですが、印相がちょっと珍しい形でした。
右手は親指と人差し指をつけて手のひらをこちらに向け、左手は親指と人差し指と中指をつけて手の甲をこちらに向けられています。
向かって左側に、二つの厨子が上下に重ねて安置され、下の厨子だけ扉が開かれています。
上の厨子に秘仏の御本尊・飛行観音立像が祀られ、下の厨子にはお前立ち様。
聖観音立像と十一面観音立像の2躯を合わせて、一尊の飛行観音と呼ぶそうです。
役行者坐像・不動明王立像・毘沙門天立像・子安地蔵尊なども安置されていました。
資料館
詳しいことはわかりませんが、寺宝の鰐口(重文)などが保管されているのかも知れません。
霊仙(りょうせん)三蔵法師像が祀られている霊仙三蔵堂
香炉
いただいたマンガ本『霊仙三蔵』によりますと・・・
「三蔵」とは仏教の経蔵・律蔵・論蔵の三蔵に精通した高僧のことで、世界に8名しかいません。
霊仙法師は日本で唯一「三蔵」の称号を与えられた僧侶だそうです。(「西遊記」に登場する三蔵法師は、中国の玄奘三蔵のこと)
空海や最澄とともに遣唐使として唐に渡った霊仙は、サンスクリット語で書かれた経典を漢訳しました。
大正2年に石山寺で発見された経典「大乗本生心地観経」の巻末に「醴泉寺日本国沙門霊仙筆受并譯語」とはっきり記されているそうです。
唐の皇帝に重宝された霊仙は、再三の帰国願いも許されず、最後は隠棲していた五台山にて反仏派により毒殺されたのだとか。
今回は新本堂と霊仙三蔵堂のある山麓の境内地のみ参拝しましたが、山上の旧本堂跡地には本堂跡の礎石が残され、鎌倉時代作の九重石塔(重文)や曼陀羅堂があるそうです。
いただいた御朱印です。
本日の歩数 5659歩・歩いた距離 3.9km・上った階数 15階
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