
『52ヘルツのクジラたち』 町田そのこ 中公文庫
52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。(「BOOK」データベースより)
虐待の描写が読んでいて辛かった・・・切ない物語でした。
『広重ぶるう』 梶よう子 新潮文庫
描きたいんだ、江戸の空を、深くて艶のあるこの「藍色」でー。武家に生まれた歌川広重は絵師を志すが、人気を博していたのは葛飾北斎や歌川国貞。広重の美人画や役者絵は酷評され、鳴かず飛ばず。切歯扼腕するなかで、広重が出会ったのは、舶来の顔料「ベロ藍」だった。遅咲きの絵師が日本を代表する「名所の広重」になるまでの、意地と涙の人生を鮮やかに描く傑作。新田次郎文学賞受賞。(「BOOK」データベースより)
これはおもしろかったー。北斎や国芳などが登場するのも嬉しい (〃∇〃)
『土を喰う日々-わが精進十二ヵ月-』 水上勉 新潮文庫
著者は少年の頃、京都の禅寺で精進料理のつくり方を教えられた。畑で育てた季節の野菜を材料にして心のこもった惣菜をつくる――本書は、そうした昔の体験をもとに、著者自らが包丁を持ち、一年にわたって様様な料理を工夫してみせた、貴重なクッキング・ブックである。と同時に、香ばしい土の匂いを忘れてしまった日本人の食生活の荒廃を悲しむ、異色の味覚エッセーでもある――。(内容説明より)
ビデオで「土を喰らう十二ヵ月」(主演:沢田研二、監督・脚本:中江裕司)を観て良かったので、原作本を読みました。
軽井沢宅の庭で栽培している野菜や、収穫した山菜や果実を使った料理の数々が素晴らしいです。
著者や料理の写真がふんだんに掲載されていて、白黒なのが残念! カラーで見たかったなぁ。
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