ノンフィクションと、大人の童話 2011年03月25日 『記憶喪失になったぼくが見た世界』 坪倉優介 朝日文庫 2001年に、幻冬舎から『ぼくらはみんな生きている―18歳ですべての記憶を失くした青年の手記』として出版されたものを、改題しての再出版のようです。 内容(「BOOK」データベースより) 18歳の美大生が交通事故で記憶喪失になる。 それは自身のことだけでなく、食べる、眠るなどの感覚さえ分からなくなるという状態だった―。 …続きを読む
どんでん返し 2011年03月07日 本を3冊読みました。 『さよならドビュッシー』 中山 七里 宝島社文庫 ピアニストを目指す遥、16歳。 両親や祖父、帰国子女の従姉妹などに囲まれた幸福な彼女の人生は、ある日突然終わりを迎える。 祖父と従姉妹とともに火事に巻き込まれ、ただ一人生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負ってしまったのだ。 それでも彼女は逆境に負けずピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して…続きを読む
阪急今津線の物語 2011年01月28日 また本の話です。 『阪急電車』 有川 浩 幻冬舎文庫 これ、かなり好きやわぁ~ 阪急電車今津線(宝塚~西宮北口)を舞台に繰り広げられる人間模様。 電車が好きな私やけど、この線は、今まで乗ったことないかも・・・ 本の前半は、宝塚駅から、西宮北口に向かって。 駅ごとに、微妙に絡み合うエピソード。 後半は折り返し。 それぞれのエピソードがつながって、解決していく・…続きを読む
少年少女の物語 2011年01月27日 本を3冊読みました。 『アーモンド入りチョコレートのワルツ』 森絵都 角川文庫 第20回路傍の石文学賞受賞作。 これは「ジャケ買い」ならぬ「表紙買い」 3つの短編は、3つのピアノ曲のやさしい調べにのせて。 いとこの少年たちだけで過ごす海辺の別荘でのひと夏を封じ込めた「子供は眠る」は、シューマンの《子供の情景》 不眠症の少年と虚言癖のある少女との淡い恋を綴った「彼女のアリ…続きを読む
老眼に負けないぞ 2011年01月07日 2011年になって、今日で7日目。 最近 おもしろい本を3冊読みました。 備忘録ということで、さらっと書きま~す。 『夜明けの街で』 東野圭吾 角川文庫 内容(「BOOK」データベースより) 不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。 ところが僕はその台詞を自分に対して発しなければならなくなる―。 建設会社に勤める渡部は、派遣社員の仲西秋葉と不倫の恋に墜ちた。 2人の仲は急…続きを読む
苦しみよ、ありがとう 2010年11月20日 『NO LIMIT 自分を越える方法』 栗城史多(くりきのぶかず) サンクチュアリ出版 栗城隊長は、世界七大陸最高峰の単独・無酸素登頂に挑む若き登山家。 私はこの人のことを全然知らなくて ビレバン(ビレッジバンガード)で、この本を手に取り 美しい写真の数々と、魂のメッセージに 思わず店内で、涙がブワーーーッと出てしまい、即購入。 標高7500メートルから先は酸素濃度が…続きを読む
タンゴ・タンゴ・タンゴ 2010年11月13日 『サイゴン・タンゴ・カフェ』 中山可穂 角川文庫 「世の中には二種類の人間しかいない。踊る人間と、踊らない人間だ。」 私が最も好きな作家、中山可穂さん。 この人の話を読むと、いつも胸の奥がヒリヒリする。 でも、やめられない。 中毒みたいなもの?? 「現実との三分間」 「フーガと神秘」 「ドブレAの悲しみ」 「バンドネオンを弾く女」 「サイゴン・タンゴ・カフェ」の5…続きを読む
大阪弁 2010年09月17日 『さくら色-オカンの嫁入り-』 咲乃月音 宝島社文庫 ちょーど今、大竹しのぶ&宮崎あおいの主演で上映してる 映画「オカンの嫁入り」っていう映画の原作本。 ある晩、酔ったオカンが「捨て男」を拾ってくる。 オカンはひと回り以上も年下の彼と結婚するつもりらしい。 月子はとまどいながらも、捨て男の気さくな人柄と陽子への真摯な思いに母の再婚を受け入れていくが、 その幸せな日々は限られ…続きを読む
吹奏楽部の思い出に浸る 2010年08月22日 『ブラバン』 津原泰水 新潮文庫 1980年、吹奏楽部でコントラバスを弾いていた「僕」の思い出と、 25年が過ぎて、かつての仲間たちと、再結成をする・・・というお話。 作者は私の1学年上なので、まさに同年代。 登場する音楽や、時代背景などに共感。 おまけに ちょうど今、楽団で合奏中の『行進曲 秋空に』が 登場するので、嬉しかったな。 ただ・・・登場人物が多く、過去の話と…続きを読む
4冊まとめて 2010年07月29日 私の備忘録ということで 最近 読んだ本の記録を残しておきたいと思います。 (感想はめっちゃ手抜きです(・ω・A;)アセアセ) 『沖で待つ』 絲山秋子 文春文庫 (出版社 / 著者からの内容紹介) 「おまえさ、秘密ある?」住宅設備機器メーカーに入社して福岡支社に配属された同期の太っちゃんと女性総合職の私。深い信頼と友情が育っていく。そして太っちゃんの死。太っ…続きを読む
まったりGW 2010年05月02日 みなさ~ん、GWを満喫してますかぁ?? 5連休の2日目は 朝から玉造の美容院に行って、M3Dトリートメントをしてもらい 午後は、のんびり家で、本を読んだりして過ごしておりました。 『ひとり日和』 青山七恵 河出文庫 出版社/著者からの内容紹介 人っていやね・・・人は去っていくからね。 20歳の知寿が居候することになったのは、 母の知り合いである71歳・吟子さんの家。 駅…続きを読む
生きることは、食べること 2010年03月27日 『食堂かたつむり』 小川糸 ポプラ文庫 柴咲コウさん主演で映画化されています。 恋人に家財道具一式を持ち逃げされ、ショックから声を失った倫子は、故郷に帰って食堂「食堂かたつむり」を開く。 食堂かたつむりの客は一日一組で、倫子のつくる料理を食べた客には次々と奇跡が起き、願いが叶う食堂との噂になる。 そんなある日、おかんが癌で余命が半年であることを聞かされる…。 まず、食堂を作…続きを読む
性別って何だろう? 2010年03月25日 本を読みました。 『ダブルハッピネス』杉山文野 講談社文庫 著者のホームページはコチラ。 ホームページのプロフィールがなかなかいい。 新宿生まれ新宿育ち 歌舞伎町をこよなく愛する28歳 ≪好き≫ 家族、旅、屋台、カルビ、サバの味噌煮、ドラゴンボール、ギター ゴミ拾い、お酒、仲間とわいわい、ドライブ、接客、フェンシング ≪嫌い≫ 差別、偏見、中傷、ゴキブリ、うんちく、花…続きを読む
突然の読書週間 2010年01月17日 ほぼ寝たきり生活の4日間を過ごし、5日目の今日は ようやく痛みを感じにくい身体の動かし方を習得できてきました。 何も出来ないあいだは、どっぷりと読書習慣。 『家族の言い訳』 森浩美 双葉文庫 SMAPの「SHAKE」などを書いた作詞家らしいです。 読み終わってから、男性の作家さんだとわかりましたw 8つの短編は、すべて家族をテーマにしたもので 何度も胸が熱くなりました。 …続きを読む
瀬尾ワールド2連発 2009年12月18日 優しい小説が読みたくて、瀬尾まいこさんを2冊続けて読破。 『優しい音楽』瀬尾まいこ 双葉文庫 3つの短編集。 ある日突然、駅のホームで女の子から声をかけられた僕。 一目惚れされるようなタイプでもないのに。 恋人になってからも、なぜだか家族に会わせてもらえない。 (優しい音楽) 妻と旅行に行くから、娘を一晩、預かって欲しいと頼まれてしまい とまどいながらも、不倫相…続きを読む
モーツァルトの思召し 2009年12月04日 ひさしぶりに大作を読みました。 中山可穂『ケッヘル』上下巻、文春文庫。 読み応えがあって、ひじょうに おもしろい作品でした。 すでにお気づきの方もおられるかと思いますが タイトルにある「ケッヘル」とは、モーツァルトの作品番号のこと。 物語のあちらこちらに、モーツァルトが溢れています。 章ごとに主人公が変わり、時代にもズレがあるのだけど 話がわからなくなることもなく、グイグイ…続きを読む
幸福な食卓つれづれ 2009年09月14日 『幸福な食卓』 瀬尾まいこ 講談社文庫 えーっと・・・まずは、おことわり。 私のブログって、個人的なことばかり書いている日記なんですが 本に関して書いているときが、最も「自分の記録」のためって感じで ネタバレとか、なーんにも気にせず書いておりますので 内容がわかって困る方は、読まないで下さいね。 「BOOK」データベースをそのまま引用すると 佐和子の家族はちょっとヘン。 …続きを読む
だいたい音感 2009年08月24日 『絶対音感』 最相葉月 新潮文庫 ある音を聞いたときに、ラやドといった音名が瞬時にわかる能力。 そんな絶対音感について、200人以上の音楽家や科学者を取材したノンフィクション。 絶対音感があれば、ピアノの音に限らず、ドアの音や雷鳴にもラベリングができる。 絶対音感があっても、クラシック奏者には、ジャズのテンションコード(非和声音)は聞き取りにくい=経験のない音の並びはわからない…続きを読む
「ハワイ」は偉大なり 2009年08月07日 ひさしぶりに本の話。 『ホノカアボーイ』 吉田玲雄 幻冬舎文庫 吉田カバン「Porter」のデザインをされている吉田克幸さんの息子さんが、実話をもとに書かれたお話で 今年3月に映画も公開されています。 ハワイのホノカアを舞台に ほのぼのとした日常が、綴られていて なんとも 癒される 主人公の玲雄は、映写技師として、ホノカアで働くので 映写に関する「へ…続きを読む
大人失格 2009年03月27日 『大人失格~子供に生まれてスミマセン~』 松尾スズキ 光文社知恵の森文庫 俳優・演出家・劇作家・映画監督・小説家などの肩書きを持ち、劇団「大人計画」の主宰者でもある松尾スズキの初エッセイ。 93~94年に、雑誌『Hanako』に連載されたものに、少し手を加えたもの。 劇団「大人計画」といえば、大パルコ人メカロックオペラ『R2C2』の大阪追加公演が決まりましたね。 演劇って観たこ…続きを読む