セバスチャン

『セバスチャン』読了。 松浦理英子 河出文庫 松浦理英子といえば「ナチュラルウーマン」「親指Pの修行時代」「葬儀の日」を読みました。 「ナチュラルウーマン」にいたっては、単行本の初版を購入しているんですよねぇ。私にとっては、かなり珍しいことです。 さらに、映画も・・・私の大好きな緒川たまきさんが出ているので、ビデオで何回も見ています。 「セバスチャン」に話を戻すと サディステ…

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告白

『告白』 湊かなえ 双葉社 さきほどの前置き、長くなって、すいませーん。 そんなこんなで、私には珍しく旬の一冊を読みました。 とんぼ先生、貸して下さってありがとうございます♪ 帯に書かれているのは 「愛美は事故で死んだのではありません。  このクラスの生徒に殺されたのです」 登場人物が、順番に物語を語っていく(告白)形で、物語はすすんでいく。 ものすごく端的にまとめ…

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文学少女のあしあと

母の話しによると、私は3歳ごろから、自発的に本を読み始めたようです。 3人姉弟の一番上なので、弟の世話をしている母をつかまえては、 字の読み方をたずねて ほとんど一人で読んでいたらしい。 身体が弱く、運動が苦手で、幼稚園時代は友達もなく、本が友達でした。 小学生になると、自分でも小説を書いて、友達に回覧し・・・ 中学生のときは、図書室の『図書貸出し1位』に選ばれ 2位の男子から…

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直筆原稿

『直筆で読む「人間失格」』 太宰治  集英社新書ヴィジュアル版 ひさしぶりに本の話です。 タイトルのとおり、まさに全ページ、直筆。 書店で手に取った瞬間、震えました。 200字詰め原稿用紙412枚の写真版。 こんな感じです(クリックで拡大します)。 驚いたのが、大変 読みやすい筆跡であるということ。 そしてほぼ全ページにわたる訂正・書き込み。 削除の箇所は、丁寧に網掛け…

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卵で産む

 『卵の緒』 瀬尾まいこ 新潮文庫 「卵の緒」と「7’s blood」の2作。 どちらも じんわりと 胸に沁みる作品でした。 「卵の緒」は、いきなり「僕は捨て子だ」・・・という書き出しに、ビックリします。 そう。卵の緒は、ヘソの緒のかわりに、母さんが見せてくれたもの。 お料理が上手な母さんは、こんなことを言います。 「すごーくおいしいものを食べた時に、人間は二つのことが頭…

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6粒のキャラメル

『風味絶佳』 山田詠美 文春文庫 谷崎潤一郎賞受賞作。 ときに甘く、ときにほろ苦い、恋と人生の妙味が詰まった小説6粒。 読み終わったあと、なんとなく せつない。 山田詠美、ひさしぶりに読んだけど、やっぱりいいなぁ。 私が好きなのは、以下の3篇。 『風味絶佳』 70歳にして、いつも若いボーイフレンドを助手席に乗せているグランマが言う。 「一日に一度は寂しいと思うことって、人…

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夏の本屋

 夏休みになると、必ずといっていいほど、書店では「○○文庫の100冊」みたいなシリーズが、平積みされる。 私が10代のころに、読破したものが、今でもたくさん並んでいる。 タイトルを眺めていると、また25年ぶりに読み直してみようかな~なんて思ったり。 そんな中で、驚いたのが、集英社文庫のナツイチ。 芥川龍之介「地獄変」、太宰治の「人間失格」、夏目漱石の「こころ」が、小畑健のイラストの表…

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尻尾を振る

『さくら』 西加奈子 小学館文庫 少し前のベストセラーだそうです。 私は、気まぐれに本屋に立ち寄り、たまたま目を引いた文庫本を買うという感じなので、いつも話題に乗り遅れてるのですが・・・。 この本の前半、スーパースターのようにお兄ちゃんが、事故にあうまでの話が、とてもほのぼのしていて好き。 誰よりも美しく、凶暴な妹の武勇伝は楽しい。 真夜中の母さんの母猫のような甘い声を聞いて、…

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優しいミステリー

『青空の卵』 坂木 司 創元推理文庫 自称ひきこもりの鳥井と、鳥井と過ごせる時間を増やすことを前提に職業を選択した僕(坂木)。 そんな二人が、ちょっとした事件を通じて、さまざまな愛を描いていく。 どんどん謎が解き明かされていくので、異色ミステリーとくくられているけれど、そこに流れているのは、優しさと愛。 指でカレーを食べるシーンが出てくる。 決して食べやすくないのに…

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秘密

『秘密』 東野圭吾 文春文庫 いやぁ~ 小説って、本当にいいですねっ。 裏表紙の言葉を引用すると 妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な゛秘密゛の生活が始まった・・・ はじめは、なんとも「ありえない話」なので、この440ページの長編はどうなっていくのか…

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楽しそうに生きていれば重力はなくなる

 『重力ピエロ』 伊坂幸太郎 新潮文庫 最近、本を読んでなかったなぁ。。。 パソコンや携帯電話を触っている時間が増えてしまったせいだ。 これからは少し控えて、自分の時間も大切にしたいなぁ。 私は・・・小学生いや、物心ついたときから、本が好きだった。 母いわく、文字を教えなくても、3歳ぐらいから勝手に本を読んでたそうだ。 中高生の頃は、授業中にも読んでたし、テレビを見てても、本…

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この海の先にあるもの

 『アジアンタムブルー』 大崎善生 角川文庫 『パイロットフィッシュ』と同じ主人公という設定でした。 後半、恋人・葉子との出会いから、癌で亡くなるまで・・・は、グイグイと引き込まれて読みました。 なんとも静かでせつない。 「この海を見ながら死にたい」以前に葉子がつぶやいた言葉を思い出した"僕"は、末期がんに侵され、あとは死を待つばかりの葉子をニースに連れて行く。 幸せに死なせて…

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遅ればせながら、愛ルケ

『愛の流刑地』 渡辺淳一 幻冬舎文庫 上下巻、約700ページ。 夜更かししまくりの4日間で読んでしまいました。 ( *´艸`)クスクス  どんだけはまってるんですか、ワタシ。 渡辺淳一の本を読んだのは『ひとひらの雪』以来なので、およそ10年ぶりか・・・ なので、携帯でメールを交換する描写などが出てくると、なんだか不思議な感覚。 いや~、映画は良かったようなんですが、原作の方…

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恋とは死に至る病い

 『弱法師(よろぼし)』 中山可穂 文春文庫 「弱法師」「卒塔婆小町」「浮舟」の3編を収録。 私の大好きな中山可穂の中編集。 著者が、あとがきに書かれているように、ほとんど性描写が出てこないので、ちょっとエッチな期待をして読むと、あれっ??って感じもしましたw かなわぬ恋。 静かに命を削りながら、身を滅ぼしながら、募る想い。 私が一番好きなのは、最後の「浮舟」 自ら…

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色白コンプレックス

『グランドフィナーレ』 阿部和重 講談社文庫 第132回芥川賞受賞作。 私は芥川賞作家に、好きな人が多い。 いとこにもらった本がきっかけになってると思う。 石川達三、安部公房、開高健、井上靖、吉行淳之介、石原慎太郎、大江健三郎、河野多惠子。 このヘんまでは、高校生のときに読んでいた。さらに 古井由吉、村上龍、宮本輝、高橋三千綱、高樹のぶ子、小川洋子、川上弘美、辻仁成・・・ 実家…

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いびつな真珠

『アッシュベイビー』 金原ひとみ 集英社文庫 前作、芥川賞をとった『蛇にピアス』の印象が強かったので、あまりの変化にちょっと驚いた。 独り言のような文章が続く。 キライな人は、キライだと思う。私は、不思議と感情移入できてしまう。好きか嫌いかで言えば、好き。 小児性愛者(というか乳児だし)や、動物虐待については、拒否反応を持つ人が多いかもしれないのだけど、それはあくまで小説のエッセンス…

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月末はカレーの日

 『ぽんカレー』 黒沢薫 角川書店 作家、黒沢薫って??? ふふっ。  ゴスペラーズのハイトーンボイス、あの素敵な声の黒沢さんが、歌のことには一切触れずに、カレーのことだけで、一冊のマニアックな本を出しておられます!(ちなみに最近、ぽんカレーgoldっていう続編も出たようです) カレー部の部長だそうですw 1日3食、週に7日・・・計21食もOKという黒ぽん(他人とは思えないネーミング…

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早いか、遅いか。先か、後か。

 『モルヒネ』 安達千夏 祥伝社文庫 婚約中のホスピス女医の前に、昔の恋人が現われた。 ピアニストだった元恋人は、末期ガンに冒され余命1ケ月。麻痺していく身体。 満足にピアノを弾けなくなった彼は、モルヒネによる死を懇願する。 安楽死と尊厳死・・・ ひじょうに重い内容でしたね。読むのが辛かったです。 なのに、淡々と書かれていて、それで心が痛くなる。 帯に書かれた「うずくまって…

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一生を賭けた大好きな人と命懸けですれ違う

 『眉山』 さだまさし 幻冬舎文庫 よかったな~。 覚悟してたけれど、やっぱり泣いてしもた。 今日の午前中は、健康診断に行っててん。 中央区道修町にある『結核予防会』。 何度か行ったことあるけど、今日は最高に混んどったな~。 私は文庫本『眉山』を片手に、次々と検査してもろてんけど・・・ 胃のレントゲンのとこで、30分以上も待たされ、いよいよ発泡剤を飲むという頃に、本もクライ…

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青春はオクラホマミキサー

 『4TEEN』 石田衣良 新潮文庫 2003年直木賞受賞作。 中学二年生四人組が経験する様々な出来事を綴った短編集。 IWGP(池袋ウエストゲートパーク)シリーズ好きな私には、ちょっと物足りない感じでした。 う~ん、さわやかすぎ?? 中学時代といえば、私は1年生の時が一番楽しかったな。 小学校から中学校に進学した私には、3年生は大人のように見えた。 3年生の全クラスの…

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